新閣僚語る

あらかじめお断りしておきますが以下は素人の感想ということで、ツッコミはなしということで(笑)
で、マニフェストに書いちゃったものをすぐに引っ込めるわけにはいかないというのはわかりますが、どこかで軌道修正しないとまずいことも間違いないわけで、あまり「やる、やる」と言わないほうがいいと思うのですが…。まあ、質問されて「やらない」とも言えないか…。

戸別所得補償制度、早期に実施=赤松広隆農水相

 赤松広隆農水相 国民の大きな関心事である(農家への)戸別所得補償制度を早期実施に向けていく。約束通り2011年度から実施したい。主食用米の生産調整(減反)制度は見直していく。世界貿易機関WTO)や、日米自由貿易協定(FTA)の交渉などは国内農業の振興を損なわない立場から当たっていきたい。(2009/09/17-02:44)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009091700054

そもそも、戸別所得補償制度自体が「家族的営農」という4000年前のビジネスモデルを温存(下手すれば固定化)し、農業の生産性向上に逆行する愚策です。ただ、FTAを推進するために、経過措置的なソフトランディング策ということなら全くありえなくもないわけで、当初はそういう理屈だったと思うのですが。戸別所得補償はやる、FTAはやらない、減反は見直すというのでは、まるっきりの農業社会主義に逆戻りという感じですが、それが農業振興なんだと言うのならそうですかとしか言いようがないというか、まあ赤松大臣は社会主義者(なのか?)だからそれでいいのか…。
しかし、所得補償はどのくらいの水準にするつもりなんでしょうかね?失業したらどこかで農業をはじめて、トマトの十箱も農協に渡せば、あとは政府が所得補償してくれる…となると、これは新たな生活保護セーフティネットになるかもしれません。国民が全員トマト十箱しか生産しなくなったら、全員がトマト十個で生きていくしかないわけですが(笑)←冗談ですよ

高校無償化は来春から…川端文科相が表明

 川端文部科学相は17日未明の記者会見で、高校教育を実質無償化の関連法案について、「基本的には(2010年度)予算関連法案で(成立させ)、来年4月から実施する方向だ」と述べ、年度内成立が必要な「日切れ法案」として10年の通常国会に提出する方針を示した。
…無償化の制度設計に関しては、「(授業料相当額を保護者に直接支給する)個人給付が本当にベストなのか議論はある。まだ決めていない」と述べ、都道府県や学校法人などを通じて補助する「間接方式」の採用を検討する可能性を示唆した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090917-OYT1T00329.htm

そうそう、こういう柔軟な姿勢が大切です。やるな川端。さすがゼンセン同盟
まあ、実も蓋もない言い方ですが、親に直接渡したら、受け取るだけ受け取ってやっぱり払わない親が出てくることは目に見えているでしょう。都道府県や学校に渡して本人には現物給付するのが普通の方法だろうと思います。学校を指定するとか、選択の自由を奪うようなことをしないことが前提ですが。
ところで、川端大臣のウェブサイトhttp://www.kawa-bata.net/)って労組色がメチャクチャ薄いんですね。あれはわざとやっているとしか思えない。組合員が見たら悲しいと思うけどなぁ…。

後期高齢者医療制度廃止を表明 長妻厚労相

 長妻昭厚生労働相は17日未明の初閣議後の記者会見で、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度について「民主党マニフェスト政権公約)で廃止を明言している。年齢で区分して1つの保険制度に入れるのは無理がある」と述べ、廃止する意向を表明した。長妻氏は「時期や手法については、現状把握をした上で詳細に制度設計を作り上げたい」とし、具体的な廃止時期に言及しなかった。
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/090917/wlf0909171019004-n1.htm

そうそう。もともと従来の制度が高齢化で持たなくなるから後期高齢者医療制度を入れたわけで、廃止するだけでは政策とは申せません。廃止したいならそれに替わる何かが必要ですし、それを入れるまでは現行制度を廃止することはできません(まあ、廃止自体はやればできますが、新制度導入までの間は問題が拡大を続けることになります)。やるな長妻。さすがNEC→日経BP。(なんのこっちゃ)
いやほんと、労働問題は労使に任せて、官僚叩きもほどほどにして、社会保障こそしっかり頼みますよ長妻大臣。そこに期待してるんですから…。

亀井郵政担当相 「金融機関、反省が足りない」

 亀井静香・郵政改革・金融相は17日未明、初閣議後の会見で、改めて郵政事業の見直しに取り組む意向を示すと同時に、関連する日本郵政グループ3社の株式売却凍結法案と、郵政民営化見直し基本法案を、10月に始まる臨時国会に提出し、成立を目指す方針を明らかにした。制定については、担当する新たな組織を設けることも「考えたい」とした。
 西川善文社長の進退については、改めて辞任を促すと同時に、ほかの経営陣についても「身の置き所を判断することがあるのではないか」などと、自発的な辞任を促す考えを示した。
 中小企業向け融資や個人向け住宅ローンの返済を3年間、猶予する「貸し渋り貸しはがし法案」についても臨時国会への提出を目指すとした。こうした姿勢について金融界から反発が出ていることについて、亀井氏は企業に十分な資金が行き渡っていないなどとして、金融機関について「社会的責任を果たしておらず、反省が足りない」と一喝した。返済猶予(モラトリアム)について、対象を元本に限るか、利子も含めるかなどの具体的対応については、今後「金融庁と検討する」とした。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090917/biz0909171014004-n1.htm

と、徳政令ですかぁ?私は金融のことはわかりませんが、しかしこれはいくらなんでもまずいんじゃないでしょうか…。金融機関の社会的責任は、継続して利益を生む(利息を払ってもらえる)可能性のある企業に可能性に応じた条件で融資することであって、預金者のおカネを資金がほしい人なら何でもかんでも貸し出す、ということではないと思うのですが…。というか、こんなことしたらますます貸さなくなるに決まっているじゃないですか。どうしてそんなことがわからないのだろう。「ごく初歩の公共政策に関する原理すら理解しない議論を開陳する」政治家もいるようで…。
郵政のほうは、西川社長を更迭したところで、あとを誰も引き受けなくなるだけだろうな、と思うだけですが…。まあ、亀井大臣は国営に戻したいのでしょうから官僚OBでもいいのかな。民主党天下りに対するスタンスとは相容れませんが…。となると誰がやるのだろう。政治家だろうか。国民新党の貴重な一議席を費やして長谷川顕正代議士あたりがやればいいか知らん。←冗談ですよ

八ッ場ダム「中止」前原国交相

 幹部職員らが拍手で出迎える中、大臣室であいさつを済ませた前原国交相は、エレベーターホールで、報道陣約30人の取材に応じた。報道陣から出た質問は、国交省が建設を継続するかどうかの判断を新大臣に委ねるとしていた「八ッ場ダム問題」。前原国交相は笑顔のまま、「マニフェストに書いてあることですので、中止します」と、あっさり中止を明言した。
 ただ、「やみくもに中止すると現場の方々も混乱するので、補償措置について地元の方々や関係自治体と話し合いたい」と述べ、早急に建設予定地を訪れて、地元の住民などから話を聞きたいとの意向も示した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090917-OYT1T00098.htm

この問題も私はよく知らないのでなんともいえないのですが、記事の後のほうには「中止撤回運動を進める地元住民組織「八ッ場ダム推進吾妻住民協議会」の萩原昭朗会長(77)は、前原国交相が記者団に中止を明言したと聞くと、「やっぱりという気もするが、残念。工事中の橋や道路などはダムが完成し、水がたまることを前提に造られたもの。今さら中止は本当に困る。国策を押しつけ、昔も今も地元の民意は反映されないのか。新政権にはしっかりと地元の声に耳を傾けてほしい」と話した。」というのも出てきて、地元の大勢は建設を望んでおり、反対しているのは地元以外の人たち(少なくとも差し止め訴訟の原告団には一人も地元の人はいないらしい)であることは間違いないようです。まあ、反対運動をやっている活動家たちに選挙で支援してもらうためにこれをマニフェストに入れたのでしょうから、「やっぱりやる」とも言えないのでしょうが…。
それにしても、地元住民は計画当初は強硬な反対運動を行い、結局あきらめて割り切って建設協力に転じ、多くの人が転居したり新しい生活に移ったりしてしまったところに今度は「やっぱり中止」というわけですから、まあ皮肉といえば皮肉な結果です。補償措置を行うと言われても「今さら」という感じでしょう。情においてはまことに気の毒としか申し上げようがありません。

国民生活に資源配分を=藤井裕久財務相

藤井裕久財務相 租税政策も財政政策も汗水垂らして働いた成果をどのように配分するかに尽き、わたしどもは国民生活に直結するものに資源を配分する。ばらまきと言われるが(全く)逆で、この「福祉経済」の中で経済を浮揚させていく。この観点から子ども手当などを着実に予算に反映させる。予算編成権は財務省にある。(2009/09/17-02:43)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009091700053

まあ、ばらまきの定義は人それぞれとしても、それにしてもあなたがそれを言いますかあなたが。あなた元大蔵官僚でしょうが。当時はこういうのを「ばらまき」と言っていたのではないですか。まあ、定額給付金を「ばらまき」だと口を極めて悪口を言っていたわけなので民主党としてもツライところでしょうが、しかしいくら「ばらまきではない」と言ったところで世間一般でばらまきがばらまきでなくなるわけもなく、たとえば「ばらまきにもいいばらまきと悪いばらまきがある」とか、言いようがあると思うんですが。
いっぽう「予算編成権は財務省にある」ことはしっかり主張していますな。ということでここでもやるな藤井。さすが元大蔵官僚。(こらこら)