人材派遣、活況

今朝の日経新聞によれば、紹介予定派遣が好調ないっぽう、派遣の人材確保が難しくなってきているそうです。

 人材紹介大手のリクルートエイブリック(東京・千代田)が毎週火曜日に本社で開く転職希望者向け説明会は、20代後半以降の女性の姿が目立つ。いま彼女たちの多くは「派遣」で働くが、「やはり正社員がいい」と口をそろえる。
 同社が照準を定めるのは、1月に参入した「紹介予定派遣」だ。一定期間派遣社員として働いた後、派遣先企業がOKなら正社員に雇用される。このサービスは2004年3月に「事前面接」が解禁されて以来、採用のミスマッチを防ぐ仕組みとして注目度が高まっている。エイブリックは紹介予定派遣をテコに、05年度の紹介人数が前年度比23%増の約1万9千人となりそう。

 17日に東証一部に上場するテンプスタッフ(東京・渋谷)。「顧客企業は若年層の労働力不足を見越し、30歳代の中途採用も積極化している」。和田孝雄執行役員は昨秋以降の紹介案件の急増ぶりに目を見張る。職種も営業や人事、経理から事務まで及ぶ。

 紹介、派遣いずれも「強い引き合いはまだまだ続く」との見方が業界内で大勢。だが不安要因もある。企業からの要請に対し、見合った人材の供給が追い付かなくなっていることだ。
(平成18年3月14日付日本経済新聞朝刊から)

そういえば、派遣の料金が上がりはじめているという報道もつい最近見かけたような気がします。紹介予定派遣は、雇用対策の一環として規制緩和して作った制度ですが、企業の正社員需要が高まったことで活況を呈しはじめたのでしょう。記事には(引用してませんが)「即戦力を求める」ようなことが書いてありましたが、派遣の期間が1年間あるわけなので、その間に仕事を教えてみて、呑み込みが良ければ正社員採用するというパターンもけっこうある、というか、そちらのほうが主流なのではないでしょうか。本当に即戦力になるような高スキル人材なら、紹介予定派遣など使わずに、いきなり正社員採用されようという強気な姿勢に出るような気がしますし。いずれにしても、いわゆる非正社員から正社員へのキャリアコースとして機能しているのなら結構なことだと思います。
それにしても30歳代の中途採用が積極化、それも事務にまで及んでいるというのはなかなか明るいニュースではないでしょうか。労働条件がどんなものかはわかりませんが、30代の未熟練でも正社員就職のチャンスが出てきたのなら、これまた結構なことです。
記事によれば(これまた引用してませんが)企業はまだ固定人員を増やすのには消極的とのことですが、派遣の確保が難しくなっているということは、正社員採用をオファーしないと人材を確保できにくくなりつつあるのかもしれません。そろそろ、非典型雇用比率の拡大も鈍化してくるのではないでしょうか。