立場変われば言う事も

きのうに続いて労働時間制度ネタですが、報告書に対して連合が談話を発表しています。この報告書には、休日確保策など労組として前向きに評価できるはずの内容も多いのですが、連合はそれには「ある」と言っただけで、談話の大半は新裁量労働制への批判に費やしています。

報告は、…「新しい自律的な労働時間制度」を提案している。これは、勤務態様、年収、本人同意、健康診断や休日確保、労使協議を要件として、労働時間規制の適用除外の対象を拡大するというものである。だが、裁量労働制や変形労働時間制、フレックスタイム制など労働時間制度はすでに十分に弾力化・柔軟化されており、いまなぜ新しい制度が必要なのか、甚だ疑問である。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2006/20060125_1138173003.html

まあ、そういう考え方もあるだろうとは思います。しかし、連合の構成組織の中にも、電機連合のように一段の弾力化を求めている組織もあります。で、この談話を出した事務局長というのが、その電機連合中央執行委員長を務めた古賀伸明氏なのですよねえ。もちろん、組織の公式見解であって古賀氏個人や出身組織の見解ではないわけですから当然でしょうが、まことに皮肉な話で…orz
それはそれとして、談話は「「新しい自律的な労働時間制度」は、働き過ぎの放置や長時間労働を助長することにつながり、導入することには大きな問題がある。」としていますが、当然ながら報告書は働き過ぎの放置や長時間労働の助長を意図しているわけではなく、むしろそれを防止するための施策を検討し提言しているわけなので、「新制度=長時間労働」という短絡的な発想で思考停止しないことを希望したいものです。賃金を「労働時間の長短ではなく成果や能力などにより」支払うということと、「長時間働く」ということとは別問題で、これを混同するのはもうやめたほうがいいと思います。