早稲田大学の島田陽一先生から、浅倉むつ子先生・盛誠吾先生とのご共著『労働法』第4版をご恵投いただきました。ありがとうございます。
- 作者: 浅倉むつ子,島田陽一,盛誠吾
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2011/08/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1 労働法の魅力
2 労働法のダイナミックス
3 労働のステージ
4 私生活と労働生活のデザイン
5 集団的労使関係システム
6 変容する労働市場と法
ということで典型的な教科書とはちょっと違う雰囲気です。「1 労働法の魅力」は労働法とはどんなものでなぜ大切か、およびその沿革と基本的な理念、アウトラインが述べられているのですが、「2 労働法のダイナミックス」では今日の労働をめぐる情勢の変化や課題、それに対する労働法の対応や今後の方向といったものがかなり幅広く論じられていて、このあたりが類書と較べたユニークさということになるのでしょうか。「3 労働のステージ」以降は具体的な法律の解説になりますが、章名をみて想像がつくとおりワークライフバランスとか、ほかにも個人情報とかセクハラ・パワハラ、非正規・フリータ・ワーキングプアなど、随所で今日的なテーマに引き付けるくふうが凝らされています。
ただまあ、カバーの宣伝文句には「新しいスタンダード・テキスト」とうたわれているのですが、随所に先進的というか意欲的というか、踏み込んだ記述がみられ、リベラルな私にはちょっとついていけない部分もあり、もちろん主義主張や学説としては十分ありうるものだと思いますが、一部で異論のない通説のように書いているのはスタンダード・テキストとしてはどうなのかという気はしないではないなと思いました(いや大半はきちんと書かれているのですが)。
しかし派遣法はたなざらしが続いて新版にまにあわず法案をコラムで紹介するという形になってしまっていますし、これからも労働法の改正はおおいにありそうなので、すぐにも第5版が必要になりそうです。