ビジネスガイド6月号

 (株)日本法令様から、『ビジネスガイド』6月号(通巻934号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 今号の特集は「改正労基則等と実務ー無期転換ルールの見直し,労働契約関係の明確化,裁量労働制の見直し」と「固定残業代制度に新判断!3.10最高裁判決の影響と対応」の2本で、後者は先日の熊本総合運輸事件の最高裁判決の解説です。まあ実務的にはこの手の固定残業制も止めを刺されたなという感じの判決ですが、内容的にはなかなかわかりにくい判決でもあり、丁寧に解説されていて有益です。
 八代尚宏先生の連載「経済学で考える人事労務社会保険」は「女性の年金と「年収の壁」」と題して女性の年金を取り上げ、「106万円の壁」「130万円の壁」や第3号被保険者制度などの問題点を解説されています。大内伸哉先生のロングラン連載「キーワードからみた労働法」は今回は「副業・兼業」を取り上げ、近年の政策動向と法的問題点が検討されています。コラム「労基法38条1項についての疑問」の「根本的な解決方法は、通算規定に関する行政解釈を改め、同一事業主の下での複数事業場での労働の場合に限定されると解し(これは条文には反さない)、健康確保は労働時間規制とは別の枠組みで配慮すること」というご意見には深く同感するところです(学界の有力説でもあります)。