日本労働研究雑誌8月号

 (独)労働政策研究・研修機構様から、日本労働研究雑誌8月号(通巻709号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

 今回の特集は「変わるワークプレイス・変わる働き方」というもので、改題の冒頭には「職場の机の配置の工夫やフリーアドレス、アクティビティベースドワークプレイス、在宅勤務、サードプレイス等、ワークプレイス(職場)の多様性・柔軟性を高めることで職場の生産性をもっと高めることの(ママ)できるのではないか、そういったワークプレイスの可能性に対する期待が高まっている」との現状認識が述べられています。
 最初にこの分野の第一人者と目される京都工芸繊維大の仲先生の総論と好事例紹介が置かれており、続いて情報通信技術との関係に着目した論文が3本続きます。さらに続いて東大の稲水先生がアクティビティベースドワークプレイスの有効性を検証しつつ、単純なフリーアドレスの導入はかえって逆効果になりかねないことを指摘されていて、ここまで読めばワークプレイスをめぐる学界の動向が概観できるように編集されています。ICTとの関連においては、もちろん富山大の柳原先生や青学大の細川先生が検討されているような課題はあるものの、阪大の中西先生によるテレプレゼンス技術の紹介を読めば、やはり技術の進歩は止まらないし、おそらくは人類に明るい将来をもたらすだろうと思わずにはいられません(ほとんど触れられていませんがこの技術は障害者雇用の拡大ににも大いに寄与しうるポテンシャルを持っているのではないかと感じました)。