倉重公太朗『雇用改革のファンファーレ』

 経営法曹の倉重公太朗先生から、ご著書『雇用改革のファンファーレ-「働き方改革」その先へ』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

雇用改革のファンファーレ

雇用改革のファンファーレ

 当然ながら(笑)私としても同感できる内容が多いわけですが、まあ全体的には同感8割、疑問2割という感じでしょうか。おそらくは比較的高学歴で専門性を有する若手~中堅ホワイトカラーが読者として想定されているのだろうと思いますが、そうでない(実はかなりのボリュームゾーンの)労働者にも目配りがあってくれるといいかなと思ったのと、書名が”ファンファーレ”と威勢がいい(笑)のは結構ですが実際のところは労働法政策は一斉にゲートが開いて整備が行き届いた平坦な馬場を一気に走り抜けるようなものではなく、試行錯誤を伴いながら漸進的に進めていくべきものだろうと、まあこのあたりが2割の疑問というところでしょうか。
 なお巻末に著者と労働関係者との対談が6本所載されており、他の5人の専門家の方々が横綱大関のような存在感を発揮しているのに対して不肖わたくしめも6人めとして幕下くらいの感じで(笑)加えていただいております。なお私の対談の見出しは”「同一労働同一賃金」はどこへ行く”となっているのですが内容は転勤の話だけなのであれという感じになっております(笑)。実は本文中にも大フォントで書かれた見出しと続く内容とがあまり一致していないところがあり、このあたり労働調査会の編集の問題かもしれません。