日本人に40歳定年の選択肢をby日経ビジネスオンライン

こちらは2月9日の記事なので上の記事ほど時間は経っていませんがしかしもう1か月経っており、やはりはなはだ旧聞なのですが約束は果たすということで、日経ビジネス記者の武田健太郎氏の手になる柳川範之先生のインタビュー記事です。
日本人に40歳定年の選択肢を
掲載時のタイトルは「日本人は全員40歳で定年退職すればいい」というもので、いやここまでケンカを売れば燃えるだろうなと思ったところ案の定であったらしく、その日のうちに表題のような穏健なタイトルに差し替わったようです。まあ、このタイトルはさすがに柳川先生ではなく武田氏の発案と想像します。
内容的にはかなり整理されてきた印象はあり、まあそろそろ「40歳定年」の看板を下ろしてはいかがかと思うところです。定年という語にはどうしても「必ずその年齢で」「全員が強制的に」退職するというイメージがあり、60歳ならともかく40歳となると、ほとんどの人はかつてhamachan先生が喝破されたように「いやがる労働者をむりやり「定年だから」といって社外におっぽり出す年齢のこと」と感じるでしょう。学び直しとかスキル再構築とか普通の言葉で言えばいいと思うのですが、まあなかなか引っ込みもつかないのかもしれませんが…。
なお内容的には整理はされたものの目だった進歩はしておらず、相変わらず「退職→大学院→転職」路線の称揚にとどまっています。まあ「自由な目的で半年や一年以上の休暇が取れるサバティカル制度」とか「副業・兼業」とか、勤続しながらスキル再構築することにも目が向いてきたのは進歩かなあ。これまでも営々と行われてきた「企業存続のために事業分野を変更し、従業員はそれに対応する形でスキル再構築」はこれからも有力な方法だと思いますし、最後のほうで引き合いに出されているメガバンクにおいてもまさに行われようとしていることなのですが、これについては相変わらず無視です。まあ現状を否定しないと始まらないというか、退職をともなわないと大学院の出番は限られてくるからなあ…。