川喜多喬『産業社会学論集IV』

川喜多喬先生から、最新著『産業社会学論集IV−中高年の転職・失業・定年・引退』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

産業社会学論集4

産業社会学論集4

副題のとおり、80年代末から2000年代初めにかけての中高年の転職・失業などのキャリア変化についての調査をまとめた本です。一口に転職、失業と言ってもその実情はきわめて多様であり、また時代背景、特に経済情勢の影響を大きく受けることが示されています。インタビューやアンケートの自由記述欄から抽出された多数の事例は、まさに中高年である私にとって身につまされるものがあります。いっぽう、好況期には中高年であってもかなり良好な転職も多くあったことも再確認できます。とはいえ、昨今の人手不足であっても賃金が上がりにくい状況では、足元ではなかなか良好な転職といっても難しいのだろうのとも思わされるわけですが…。なお企業グループ人事の進展について調べた章もなかなか興味深いものがあります。