首藤若菜『グローバル化のなかの労使関係』

立教大学の首藤若菜先生から、ご著書『グローバル化のなかの労使関係−自動車産業の国際的再編への戦略』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

首藤先生には2014年の労働政策研究会議で私が司会を務めたセッションで報告していただいたことがあり(論文はこちらにありますhttp://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2015/special/pdf/102-109.pdf)、その際はフォルクスワーゲン社の事例を中心にした内容で(本書の第3章・第4章あたりに一部含まれています)、同社の国境を超えた要員調整の実態など、報告後の中村圭介先生との討論も含め、たいへん興味深く勉強させていただいた記憶があります。
本書では多国籍大企業におけるグローバル規模での集団的労使関係について、自動車産業の事例調査をもとに論じられています。日系企業労組の取り組みに関する第5章が面白そうだったのでそこから読み始めたのですが案の定非常に面白く、これは最初からきちんと読まねばと思っているところです。本書の事例ではグローバル労使関係構築には経営サイドもメリットを感じて協力しているとの指摘も重要と思われ、大いに勉強させていただきたいと思います。