野川忍・山川隆一・荒木尚志・渡邊絹子『変貌する雇用・就労モデルと労働法の課題』

刊行されました。2-2「現場の実情を踏まえた法政策の検討−企業実務の立場から」を書いております。まとまったものを書いたのは久々だったのでかなり難渋して編集の方にご迷惑をおかけしました(申し訳ありません、って見てないか)。ただまあ私が入稿してからさらに10か月が経過しておりますのでさらなる強者がいらっしゃったものと想像します(笑)。おかげでこの間に労働条件分科会の議論が進み、たいへんなご負担であることは承知しつつも校正のたびに相当の変更をお願いすることになってしまいましたがご対応いただき感謝申し上げます(ってだから見てないって)。ただまあやはり相当の譲歩は余儀なかったわけで、むしろ執筆時点を明確化したうえで入稿時のもので押し切ったほうがよかったかもしれないなどと思うことしきり。

変貌する雇用・就労モデルと労働法の課題

変貌する雇用・就労モデルと労働法の課題

はしがきにもあるとおり野川忍先生の還暦記念論文集でもあります。野川先生と学縁の深い先生方に加えて、経済学者の鶴光太郎先生や安藤至大先生、さらに労使双方の実務家(私はここに引っかかった)なども論考を寄せられており、労働法学にとどまらず、まさに雇用・就労モデルが変貌する中で多岐にわたる重要な論点が幅広く取り上げられ、かつそれぞれに専門の先生が深く掘り下げておられます。まさに野川先生のご人徳というべき重厚な論文集と思います。
そんな中で私の部分は玉の中に紛れ込んだ一個の石という感じでお恥ずかしいかぎりです。本体8,300円(税別)とかなり高い本なので買ってくださいとは申し上げませんが、どこかで見かけたら手にとっていただければ幸甚です。