働き方Next(5)

もう1日続けて1月6日付の記事に行きたいと思います。この日のお題は「脱「ガラパゴスワーク」――摩擦越え、異質取り込む。」です。

…英国人スタッフは残業する日本人を横目に定時の午後6時に退社。人事考課には「なぜ私はB評価なのか」と明確な説明を求めてくる。…
 日本の職場に流れる「あうん」の呼吸は通じない。…
 人口減で海外に活路を求める日本企業。価値観や文化の違う外国人の同僚と働く機会が増える。そこでは、残業を前提とした業務や曖昧な職務の範囲、不透明な人事考課といった、日本的な働き方は通じない。
 職場のグローバル化は、日本の働き方の異質さを自覚することが第一歩。だが独自の「ガラパゴスワーク」で満ちた日本企業の開国は道半ばだ。
平成27年1月6日付日本経済新聞朝刊から)

まあ確かに日本のメンバーシップ型雇用はかなり独自なものですが、しかし資本や財に較べて国際移動が少ない労働については、その市場や慣行といったものもローカル色が強いものになっています。要するに各国とも相当に異質なのであって、別に日本だけがガラパゴスだというわけではありません。アメリカの雇用慣行をヨーロッパにそのまま持ち込むのはまあ無理としたものでしょうし、ノルウェーのやり方はイギリスでは通じないでしょう。つかドイツとギリシャ(ry
ということで日本では日本型でやるしかないわけですし、海外に出て行ったら基本的にその国のローカルな市場、慣行に適応するしかないわけです。いまさら「「あうん」の呼吸は通じない」とか言われてもねえ。
そこで記事にもあるように「求められるのは内外の働き方の融合」という考え方が出てくるわけで、企業内の話であれば、仕事の方法、進め方をよりよく改善するうえで海外も含めた他社をベンチマークするのは当然でしょう。そういう意味では、記事が「日本流の常識を疑い、異なる「職文化」を取り込む。摩擦を越えた先に世界で戦える働き方が見えてくる。」と結論づけているのも納得するとこというか、要するに多様性を活力とするValuing Diversityのことですね。そう考えれば、やり方を変えるのにはただでさえフリクションがともなうところ、他社他国のやり方を取り入れるのはさらに抵抗があるでしょうが、虚心に受容していく心構えが大切だという平凡な結論になりそうです。