菅野和夫・仁田道夫・佐藤岩夫・水町勇一郎『労働審判制度の利用者調査』

編者のみなさまから、菅野和夫・仁田道夫・佐藤岩夫・水町勇一郎労働審判制度の利用者調査』をお送りいただきました。ありがとうございます。はまぞう調子悪いみたいでアマゾンのリンクがはれないみたいなので楽天ブックスのリンクを入れときます。画像が出ないのは私だけ?

東大社研が実施した労働審判制度の利用者調査について、11人の研究者と2人の法曹が解説、分析、提言を分担執筆しています。この調査については以前ご紹介した(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120616#p1)昨年の労働政策研究会議で分担執筆者の高橋陽子先生から報告がありました。私は不参加でしたが昨年の日本労働法学会でも報告があったのかな。
上のエントリでもご紹介したとおり社研ならではの非常に勤勉な調査で、貴重な成果ではないかと思います。菅野先生が心血を注がれた労働審判制度ですが、調査結果をみるとかなり有意義なものとなっているようです。ちなみに解決にあたっての金銭についてはhamachan先生が調査された労働局あっせんとの比較が随所で行われており、これについては1月に開催された社研のシンポジウムの中心的話題になっていたことを思い出します(まあhamachan先生が指定討論者でしたので当然といえば当然の展開なのですが)。
最後に仁田先生が指摘されているように、労使間の評価の不均衡が制度の安定性を損ねるという懸念があり、そもそも紛争を減らすという意味からも、単なる法制度の知識獲得にとどまらない労働法教育を労使(特に使)に実施していくことが望まれるように思われます。