日経新聞が「働けない若者の危機」という連載特集をやっています。本日のお題は「改革拒む「労働ムラ」」。ふむ、「原子力ムラ」とか、なんとなくクローズドな身内の世界という感じでイメージが悪い「ムラ」を繰り出して来ましたか。

 「残念ながら、戦略と呼べるものではない」。6月12日に政府が発表した若者雇用戦略。とりまとめの最終盤で、作業グループ委員の東京学芸大学客員教授藤原和博(56)が辞表を提出した。
 藤原は作業の過程を「厚生労働省と連合の掛け合い漫才だった」と批判する。

 若者が働く場を得るには、若者自身の能力を高めることと、企業が採用をためらわないように雇用規制を緩和することが不可欠なはず。だが、教育界の反発が必至の大胆な教育改革や、労組の抵抗が強い解雇規制の緩和は議論の俎上(そじょう)にすらのぼらない。
平成24年7月19日付日本経済新聞朝刊から、以下同じ)

ああ、まあ藤原さんならそう言うでしょうね。氏の教育界での実績はもちろん高く評価するところですが、しかしまあ「教育改革」がメシのタネの人がここで辞表というパフォーマンスに出るのも十分理解できるところです。なお氏ほどの人であれば解雇規制を緩和したらむしろ若者の解雇が激増するであろうことは承知しておられると思うので、ここは記者が適当に書いたのでしょう。つか、「若者自身の能力が不足」と言っておきながら「解雇規制を緩和しても若者の解雇は起こらない」と言うのはまあ相当な自爆ですよね。

 「年齢の高い人の集まりからは絶対に出てこない発想でやろう」。学識経験者や企業人らでつくる政府のフロンティア分科会は7月6日、国の長期ビジョンをまとめ「40歳定年制」を提言した。入社20年目以降なら労使が自由に定年を設定できるようにし、企業はその代わりに定年後1〜2年の所得と再教育の機会を保証する制度だ。
 発案者の東大教授、柳川範之(49)は「中高年もリストラの不安におびえている。社会の変化に合わせて学び直し、働き方を変えられる方が、中高年も若者も安心を得られるのではないか」と問いかける。

へー、池田信夫先生って「年齢の高い人」じゃなかったんだ。まあ、柳川先生にしてみれば一方的にほめられて迷惑というところかもしれませんが。