安衛法改正法案修正

さて今朝のNHKニュース「おはよう日本」で、現在国会上程中の労働安全衛生法改正法案が修正されそうだとのニュースが報じられる中でおやと思ったことがありましたので備忘的に書いておきます。まあ出勤前の聞き流しなので聞き違いということもあろうかと思ってNHKのウェブサイトで確認してみたところ間違いなかったようです。

 職場での受動喫煙の防止対策を事業者に義務づける労働安全衛生法の改正案について、民主党は、事業者の負担が大きすぎるという指摘を受けて、義務づけの規定を削除したうえで、今の国会で成立を図ることになりました。
 政府は去年12月、職場で働く人が他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙を防ぐため、禁煙や分煙の対策を事業者に義務づけることを盛り込んだ労働安全衛生法の改正案を国会に提出しました。
 しかし、与野党から受動喫煙の防止対策を事業者に義務づけるのは負担が大きすぎるという指摘が出され、改正案の審議入りのめどが立たないことから、23日、民主党の厚生労働部門会議の幹部が対応を協議しました。
 その結果、事業者の負担を軽減するため、改正案から禁煙や分煙の対策を義務づける規定を削除する一方、防止対策に取り組む事業者に対し、国が必要な支援を行うことを盛り込むなどの修正を行ったうえで、今の国会で成立を図る方針を確認しました。
 民主党は、これらの修正について、党内の手続きを経たうえで、近く野党側に協議を呼びかける方針です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120424/k10014663971000.html

おやと思ったのは「事業者の負担が大きすぎる」「事業者の負担を軽減するため、改正案から禁煙や分煙の対策を義務づける規定を削除する」というくだりで、これって本当に「事業者の負担が重い」という表現でいいのかと思ったわけです。
つまり、以前も書いたと思うのですが、たしかに喫煙室を別途設けて排気設備を設置するとかいう話になると事業主の負担も半端でないと思うのですが、現実に起きるのはたぶんわが社はそんな負担できないから全面禁煙にしますという会社が多発するという事態ではないかと思うわけです。まあ経営者もふくめ愛煙家にはつらい話でしょうがこれなら事業主の負担はほぼゼロです(健康増進や清掃費用などを考えればプラスかも知らん)。
問題視されていたのは飲食店などでこれ(全面禁煙)をやったら愛煙家の客が来なくなるという話で、これもまあ「事業主の負担が大きすぎる」と言えば言えるかもしれませんがその表現でいいのかとも思ったわけです。
ちなみにasahi.comさんはそのあたり正しく書いていますね。

 民主党は23日、政府が国会に提出した改正労働安全衛生法案について、職場の受動喫煙防止を事業者に義務づける規定を緩め、努力規定に修正する方向で調整に入った。25日の民主党厚生労働部門会議で了承を得たうえで、与野党協議を呼びかける。
 改正案には、たばこを吸わない労働者が、吸う人の煙で健康を損なうことを防ぐため、職場では喫煙室をのぞいて、「喫煙を禁止することその他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない」と明記していた。修正案ではこの文言を削除し、受動喫煙防止のための努力規定を設ける。
 改正案には、客離れを懸念する飲食店やホテルなどのほか与野党の喫煙派議員から反対意見が出ていた。
http://www.asahi.com/job/news/TKY201204240137.html

まあたしかに喫煙エリアで働く従業員に防護マスク支給とかいう話になれば事業主の負担にはなりますね。いっぽう愛煙家にしてみれば愉快な話ではないというのも情においてはわかりますが、しかしそれ以上に従業員の健康確保が大切だという話だったはず。なんとなくたばこ農家への配慮が透けて見えるような気もしますがこれは憶測です。
さて、たばこ増税論者の小宮山厚労相はどうお考えなのでしょうか。