大阪の話(3)

大阪の話をもうひとつ、本当に忘れないうちに備忘的に。

 「常識がない。担当でない場合でも、議員の力を借りて詰問してくる。特に若い議員の社会人としてのマナーを再教育すべきだ」。
 「大阪維新の会」代表の橋下徹大阪市長に23日、市職員から送り付けられたメールには、維新市議団についての苦言が事細かにつづられていた。橋下市長はすぐに謝罪のメールを返し、維新も24日に全所属議員を緊急招集、注意喚起する方針を決めた。
 橋下市長は就任後、自らのメールアドレスを全職員に公開。内部告発や職務上の課題などを受け付け、独自に情報収集している。
 問題のメールは、橋下市長就任で与党となった維新市議団の振る舞いについて「一番程度が悪く、(要求などが)露骨になっている。無理強いが多くなった」と指摘。「内容を言わず呼びつけ、支持者を連れてきて我々を詰問するなど、民間では、ありえるんでしょうか?」と疑問を投げかけた。
 さらに「与党だから、むげに断れない」と苦しい心境を吐露し、「市長のお考えを理解されているのか、甚だ疑問を感じることが多いです。この実態を国民が知ったら、あきれるでしょう。与党の議員から改めてもらわないと、昔ながらの議会のままで何も変わらない」と訴えている。
 これに対し、橋下市長は「議員の態度振る舞いについては申し訳ない。代表として維新の会に伝えます」と返信。関係部局にも早速、改善策を指示したという。
(2012年2月24日08時02分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120224-OYT1T00059.htm

名古屋市在住の友人からは市議会リコール後に減税日本から出馬当選した名古屋市議の方々の経験不足や知識不足がはなはだしく、市の幹部や職員が相当に閉口しているらしいとのウワサ話を聞きつけておりましたので、まあさもありなんという感じです。
これに対する橋本市長の対応ぶりも例によって手強いなというものですが今回の主眼はそこではなく、そりゃあんな短期間に多数の候補者をかき集めれば品質もそれなりにならざるを得ないのも当然だという点にあります。なんか大阪維新塾とか東海大志塾とか河村たかし政治塾とかにずいぶん多人数の志願者が集まっているようですが、市会議員のこのていたらくをみると、まあ選挙が9月としてもあと半年の付け焼き刃で国会議員にふさわしい候補者の人材が十分に集まるわけがないでしょうと思うわけです。
普通に考えて政治家のキャリアとしては官僚など行政からの転進とか、議員秘書として経験を積んでからの出馬(世襲議員はだいたいこれではないかと想像)とか、あるいは市議→県議など地方議会叩き上げで国政進出とかが考えられるわけですが、自民党世襲が増えたから官僚が民主党に流れたという話があるくらいで、こうした典型的なパターンにはまった人はだいたいは既存政党に取り込まれるとしたものではないでしょうか。なんかみんなの党支部長が多数大阪維新塾に応募していたそうですが、自民党民主党から公認されそうな人にはそんな必要はないわけです。というか自民党にしても民主党にしても十分に人材確保できているかというと現実を見るかぎりそうでもなさそうだというのが大方の見方ではないかと思いますし(失礼)、それもあって知名度目当てのタレントやスポーツ選手に手を回しているわけです。もちろんタレントやスポーツ選手が悪いというわけではなく、これらに限らず政治経験の乏しい候補であっても当選してから各党のベテラン議員やそのスタッフ、あるいは政党職員とかにもまれながら政治家として育成されて大活躍しておられる先生も多数おられますが、大阪維新の会減税日本の育成機能ははたしてどんなものなのでしょうか。いや大阪の人はひょっとしたらその方面でも専門家をしっかりインボルブしておられるかもしれませんが。
ということで何百人集まったといっても大方が「ちょっと市民運動やってるんですがなれるものなら政治家になって世の中を良くしたい」くらいの人だとすれば喜んでばかりもいられないのではないかと。いやもちろん玉石混交だろうと思いますが、しかし玉石々々々々………混交ではないかなあとも思うなあ。
まあ実際にそれで国会のクォリティが落ちれば迷惑を被るのは我々国民なので、できればそうでないことを祈りたいところですが、どうなりますことやら。