基本問題部会

きのうも書きましたが更新を休んでいる間にも労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会(長いな)が開催され、本日もさきほど開催されまして今戻ってきました。
高年齢者雇用に関してはまだ平行線という感じですが、一つだけ感想(ネタタグでもいいような雑駁なものですが)を書いておきたいと思います。議論の中で公益代表委員の森戸英幸先生が総括的な発言をされ、使用者代表が継続雇用が困難だとする労働者というのは、ありていに言えば定年前にすでに就業規則の普通解雇事由には該当しているような人で、しかし長期雇用慣行と定年制のもとでは定年まではなんとかお勤めいただいて定年を期に退職していただいているような人ですよね、そういう労働者についてはやはり就業規則などに根拠を設けて、それに該当する場合は再雇用しないという運用になるのではないでしょうか(もちろん合理性判断は受ける)というお話があってまあそんな方向で議論が進んでいるのですが、前々から書いている(たとえばhttp://d.hatena.ne.jp/roumuya/20110616#p1)ように私としては労組などが関与できるようなしくみにしておいたほうがいいのではないかと考えており、そのような発言(多数労組との労働協約でやることまでは排除する必要はないのではないか)もしているのに対し、労働者代表はいや使用者が一方的に決定・変更しうる就業規則の規定でいいですと考えているフシがあり、いや明言での表明はなかったと思いますので私の誤解かもしれませんが、しかしそれって逆だよねえと思ったことでした。いや労組としてそういうルール作りにかかわるのは辛いというのは情においてはよくわかるのですが、しかし悪く言えば逃げてるなという感もなくはありません。まあまともな労務管理をやっている企業なら当然労組と話し合うだろうからそこで受けて立てばいいということで、あえて明文のルールにする必要はないということかもしれませんが。
さて本日は高年齢者雇用のほか指定法人の見直しという議題もあり、具体的には全国シルバー人材センター事業協会と介護労働安定センターがこの部会の受け持ちとのことでした。これは当該法人が高齢法や介護労働法で指定を受けていることについて議論するものなので、まあシルバー人材センターの事業に関してはいろいろ申し上げたいこともありますが、とはいえ現実にこれだけ広汎に事業が展開されており、それにあたっては全国斉一的な管理運営も必要であろうことも理解できますので、もちろん効率的にやってほしいわけではありますが全シ協が指定されていること自体が問題かといえばそうでもないなとも思います。介護労働安定センターのほうも同様、まだ歴史が浅い業界ですのでこうした支援や研修などの必要性は理解できますし、まずはこういう形でスタートしていくものだろうと思います。ということでその場では黙っていたわけですが、労働者代表からはせっかくの機会だから言いたい言うべきことを言おうということで、事業自体についての発言もありました。
ただまあ介護労働者の労働条件が低すぎることについてセンターは何をしているのかとか言った発言があり、組合がそれを言うのは相当に自爆ではないかなあとは思いました。もちろん現実は厳しいしその努力もしておられるものとは思いますが、やはりセンターに頼らずに自ら組織化して団体交渉を通じて実現していくのが筋だろうと思うわけです。この問題は介護保険制度にかなりの部分を依存しているので、その方面に攻勢をかけることは、他の案件ほどには否定はしませんが。
さらには、その流れで介護労働安定センターの予算ってどこに行ってるんだろうとの発言や、ひいては「税金を流し込んでいる」といった発言も労働者代表からありましたが、いやこの財源は二事業であって使用者の払った保険料ですのでその場では言いませんでしたがそこはどうかそのように。したがって有効に使っていただきたいとはもちろん思いますが。