すみませんまたネタなんですがもう一つ追加です。いや城繁幸氏のブログなんですが。「内定解禁、でもまだ内定が無い君へ」という10月3日のエントリです。
http://jyoshige.livedoor.biz/archives/4602803.html
いや、書いていることはけっこう普通だし、私もそれなりに同感するところもあるのですが。
先日、来春入社予定者に対する内定が解禁されたものの、まだまだ就職活動が終わらない、という話をよく聞く。
確かに大変だとは思うが、じゃあ働く場所がまったくないかというと、それは違う。
…大手の正社員がいいのはわかるけれども、そこに入れるのは、もうひと握りの運の良い人だけなんだから、春先にチョロット頑張ってダメだったら、スパッと諦めて別のアングルで就職先を探した方がいい。
別のアングルとは何か。仕事内容の面白さだ。たとえばつい先日、こんなニュースが話題となった。
日中韓3カ国政府による初の国際機関「日中韓協力事務局」が1日、正式発足した。
(中略)その事務局が8月、研究や広報などに携わる各国2人ずつ、計6人の職員を募った。
志願者は中国1100人、韓国100人に対し、日本は13人。
グローバルな競争力を備えた人材が減ったか、募集戦略を誤ったか−−。
日本外務省から事務局次長に派遣された松川るいさん(40)はそう自問する。これなんて、グローバルグローバル言いながら実際どこに配属されるか翌4月に入ってみなきゃわからない大企業なんかと違って、グローバルな業務をほぼ確実にやらせてもらえる貴重な場だ。
しかもお上がお金出してるわけで、小さい組織とはいえ就労条件はきっちりしているはず。
…最後にもう一度まとめておくと、会社の格ではなく、仕事内容で選ぶ視点を持てということだ。
そういう観点で見れば、実は日本にはいろいろと面白い仕事が転がっている。
http://jyoshige.livedoor.biz/archives/4602803.html
まあそうなんですが、ただこの「日中韓協力事務局」って所在地がソウルなんですよ。だからこの話は「グローバルな競争力」を備えた人材が減った」なんて話ではなくて、ソウルで韓国人100人の応募があったところ、日本人の応募も13人もあった(現地人の13%)…という話なんですね。この組織が東京にあって、日本人の応募100人に対して韓国人の応募が13人だったら、まあ多いなと思うことはあっても少ないとは思わないでしょう。で、そこに1100人も来る中国ってどうなってるのかという話で、中国の大卒はとんでもなく就職難なんだなあとか、中国ではコネなしでも採用される仕事ってのが本当に限られているんだなあとか思いをめぐらせるのがまあたぶん正解なんでしょう(日本人が13人も応募したというのも日本が就職難だからという面もあるでしょうし)。「実は日本にはいろいろと面白い仕事が転がっている」というのはそのとおりだと思うのですが、その事例に韓国の仕事をあげちゃいかんでしょう。
でまあ、「日本外務省から事務局次長に派遣された」と書かれているのを見れば所在地が海外だろうというのは見当がつきそうなもので(所在地が日本なら「派遣された」とはあまり言いませんよね)、城氏もうかつなお方だなあなどと思っていたところ、城氏がリンクしているソース(毎日jp、上の引用でもリンクしておきました)にも城氏が(中略)とした部分で「ソウルのビル20階に置くオフィス」と明記されているのですね。ということで城氏はさらにうかつであり、かつこの記事を書いた(最後に【西脇真一】と署名がある)記者も同じ箱でしたというオチとなりました。いやはや。