がんばれ、日本製紙石巻硬式野球部

もうひとつスポーツ欄から。

 社会人野球を統括する日本野球連盟は19日、東京都内で臨時理事会を開き、東日本大震災の影響で秋に延期された第82回都市対抗大会を10月22日から11日間、京セラドーム大阪で開催することを決め、発表した。東京以外での開催は初めて。
 同球場を本拠地とするプロ野球オリックスが2位になった場合はクライマックスシリーズ(CS)と重なるため、10月22日から27日まで行った後に中断し、11月2日に再開して6日を決勝とする。

私は社会人野球や日本野球連盟がどうなるかには大いに関心があるのでこれは重要なニュースなのですが(笑)、せっかく東京ドームの隣に転勤してきたのに都市対抗が大阪ってのは何かのお仕置きでしょうか。
それはそれとして日本野球連盟は震災後すぐに都市対抗野球の日程変更と日本選手権および前哨戦となる11大会の中止を決めましたが、想像するにこれは「こんな非常時には野球はやめて社業をしっかりやりなさい」ということでしょう。プロとは違う、企業スポーツらしい話です(プロはご商売なので読売がゴネたのもよしあしはともかく話としてはわかります)。実際、大阪ガス東邦ガス硬式野球部員が被災地のライフライン復旧の支援に向かったという話もあります。
都市対抗野球は「都市対抗」ですし、例年数十万人の応援が集まる一大イベントでもありますので、時期をずらしての実施は妥当なところでしょう。
これは7月に東京ドームで開催することによる電力需要の問題もさることながら、被災地や東北地方のチームは予選が間に合わないという事情もあったようです。石巻市日本製紙石巻は今年のスポニチ大会(神宮球場)で強豪を連破して準決勝に進出しました*1が、今回の震災で工場とともにグランドが壊滅したとのことです。不幸中の幸いで高台にある雨天練習場が使用できるので工場の復旧が終われば練習を再開するそうですが、予選を勝ち抜いて(昨年勝ち抜いていますし十分可能性はありそうです)「石巻市代表」として都市対抗野球に出場すれば、市民には大きな励みになるでしょう。仙台市七十七銀行JR東日本東北にも相当の被災があったはずで、やはり仙台市代表となれば従業員のみならず市民にも元気が届くでしょう。今年は関東か近畿から1枠取り上げて東北の出場枠を増やしてもいいのではないかと思うことしきり。
なお開催地が大阪ドームに変わるということで応援がどう変わるのかも興味深いところです。例年の都市対抗では関東のチームが大応援団を動員する*2わけですが、今回はここぞとばかり関西のチームが動員するのかも。それで来年以降の日本選手権の応援が増えれば日本野球連盟にもけっこうなことでしょう。
余談ながら「プロ野球オリックスが2位になった場合はクライマックスシリーズと重なる」とのことですが、この場合はせっかくですから(何が?)2位、3位チームには2回戦から都市対抗に出てもらい、優勝チームがファイナルステージに進むというのはどうでしょう。まあ力の差はあります*3し、プロは投手の数が揃っているので準々決勝以降連戦になるとかなり有利だろうとは思いますが、野球はけっこう番狂わせがありますし、去年まで日本通運にいた牧田投手がプロ入りして完封勝利をあげていることを思うと、勝って当然と思われるだろうプロとしては嫌でしょうね。まあファイナルステージで5試合やってプロが負け越すことはありえないとしても、負けたら終わりの一発勝負のトーナメントでは、プロが2球団とも3連勝して決勝で当たるかというとはたして…。

*1:この準決勝が3月11日=震災当日でしたのでチームは難を逃れました。ということは準決勝前に敗退していたらまともに被災していたということになります。

*2:一昨年だったか8月24日(月)には東京都代表東京ガスさいたま市表日本通運戦で28,500人を動員したこともあります。いや(月)って君たち仕事はどうしましたか。まあ他人が働いているときに休みとって野球観戦ってのもこたえられないわけではありますが。ちなみにこの試合、東京ガスが4-2で勝ちましたが勝ち投手が現阪神の榎田投手でセーブが現楽天の美馬投手、敗戦投手は現オリックスの阿南投手となっておりますな。

*3:とはいえ昨年の長野外野手や一昨年の攝津投手のようにプロ入りして一年目で新人王をとるような選手も含まれているわけですが。