大内伸哉『最新重要判例200労働法増補版』

大内伸哉先生から、『最新重要判例200労働法増補版』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

最新重要判例200 労働法 増補版

最新重要判例200 労働法 増補版

初版の発行が平成21年9月30日となっていますので、中1年半の増補版ということになります。下級審から最高裁判決へのアップグレードと、初版以降の8例の増補が行われています。その中には、改正高齢法に関するNTT西日本事件のような近年の法改正に関するものや、内々定取り消しをめぐるコーセーアールイー事件のような今日的な社会情勢を背景としたものもあります。ここ10年くらいの間に多くの労働法改正が行われましたので、それをめぐる裁判例はこれからも多々出てくるでしょう。増補版が出たばかりでなんなのですが、ぜひとも早期に増補2版の上梓を期待したいものです。おそらくはまもなく最高裁で覆り、差し替えが必要になるであろうINAXメンテナンス事件が増補されているところをみると、大内先生ご自身はおおいにその気がありそうなので、弘文堂さんよろしくお願いしますということですが。
ちなみに労働判例集の定番である別冊ジュリストの『労働判例百選』は6〜7年間隔で新版が発行されており、最新版(第8版)は実はこの本の初版とほぼ同時期(平成21年10月13日)に出ています。当時、さすがに7年めの第7版はかなり古い感じになっていましたが、次回も同じペースだとすると第9版は平成28年ということになります。昨今の世の中をみると、2年前の判例集が5年後にも不足なく使えるとは思えませんが…。そういう意味でもこの本にはがんばってもらいたいものです。
なお書名は「200」ですが実際の収録は221件です。これは『労働判例百選第8版』も120件の所載なので事情は同じで、まあ必要なものを網羅したら上回ってしまったというところでしょう。