大臣遅刻で官僚更迭?

YOMIURI ONLINEから。

 原口総務相が、総務省で国会との連絡・調整を担う原口亮介官房総務課長について、就任からわずか約8か月で情報通信国際戦略局参事官に異動させる人事が波紋を呼んでいる。
 異動は4月1日付で、対象となった原口課長ら4人はいずれも国会担当。省内では、総務相が今月、国会審議に2度遅刻したことの引責による更迭ではないかとの見方が広がっている。
 総務相は26日の記者会見で「定期人事異動で、更迭ではない」と述べ、遅刻とは無関係だと強調した。だが、総務相は遅刻の原因を「事務方のミス」と釈明しており、「更迭と見られても仕方がない」との声が上がっている。
 最初に遅刻した3月3日は、日程を管理する大臣秘書室内の確認が不十分だったとされ、「責めを負うのは大臣秘書室が先だ」(中堅幹部)との声も漏れる。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100326-OYT1T00900.htm

まあ、官房総務課長から情報通信国際戦略局参事官という人事は、役所の組織上の形としてはありうる異動のように思われます。たしかに、その限りにおいては大臣が「更迭ではない」と言うこともできるのでしょう。
ただ、更迭か否かは人事権者が決めることではなく、本人がその人事をどう捉えるかとか、周囲がどう評価するかとかで決まってくるという部分もあるわけで、今回の人事について「引責による更迭ではないかとの見方が広がっている」「「更迭と見られても仕方がない」との声が上がっている」のだとすれば、やはり「更迭」と報じられても致し方のないところでしょう。こういう人事を通してしまえばこういう受け止められ方をするだろうということは容易に想像できたように思うのですが。
いずれにしても、今回の人事で、総務省は官僚が大臣の失態の引責で更迭される組織だという意識が省内にも広がっているのでしょうから、これは人事管理としてはあまり好ましい状況ではないと申せましょう。まあ、市長が貼らせた貼り紙を剥がしただけで懲戒免職という役所もあるらしいので、それに較べればまだマシかもしれませんが。