成果主義と男性の育児休業

成果主義人事で、成果が上がらないと処遇も上がらないので、ますます育児休業は取りにくくなっている、という意見をよく見かけます。ただ、逆に考えれば、休んで成果が上がらなくても賃金が上がってしまうほうが、周囲との関係では休みにくいのではないでしょうか。私は処遇が上がらなくても育児休業を取りたい、という人には、成果主義はかえって休みやすい制度ではないかと思うのですが。
むしろ困るのは、成果主義を導入されている上司なのではないでしょうか。部下が育児休業を取ることで組織の戦力がダウンし、結果として成果も上がらなかった結果、上司の処遇が上がらなくなるということだと、部下が休むことに難色を示す上司が出てきても不思議はありません。
とはいっても、管理職はより成果主義になじみやすいことも事実なので、そのために成果主義をやめるというわけにもいかないでしょう。もちろん、育児休業を取りやすい職場は雰囲気のよい明るい職場であること、育児休業者のバックアップをすることで職場のメンバーの能力が高まること、育児休業を取得することで本人の意欲が高まったり、育児経験が間接的に仕事に生きたりすることなどを通じて、職場の生産性はむしろ高まり、成果もより多く上がり、上司の処遇も高まるというのが正論ではありますが、やや理想論という感もこれあり(笑)、現実的には、育児休業を取得しやすいような職場マネジメントをしていることを評価項目としてプラスにカウントするような配慮が必要かもしれません。