アイフル、「成果主義」を撤廃

違法な取り立てで全店営業禁止という異例の重い処分を受けた消費者金融大手のアイフルですが、違法の背後には行き過ぎた「成果主義」があったようです。

 金融庁から業務停止処分を受けた消費者金融大手のアイフルが、支店ごとの業績を社員の賞与に直結させる成果主義制度を撤廃した。「多重債務者を生む過剰貸し付けの背景には消費者金融の厳しい成果主義がある」との指摘もあり、見直しが他社に波及する可能性がでてきた。
 アイフルは貸し付けや債権回収の目標を支店ごとに設定し、達成率が悪ければ支店全員の賞与が最大で六割下がる賃金制度を導入していた。関係者によると、目標額を回収できない社員がやむにやまれず自らのお金で穴埋めする事例もあったという。福田吉孝社長も処分を受けた後の記者会見で、違法な取り立てが起こった原因について「成果主義を求めすぎた結果ととらえている」と話した。四月から支店ごとの成果主義を撤廃した。
 アイフルほど極端ではないが、消費者金融では支店ごとの業績を給与に反映させる仕組みは一般的。今回の処分をきっかけに他社も撤廃を含む見直しを迫られそうな情勢となってきた。
(平成18年4月17日付日本経済新聞朝刊から)

うわー、こりゃしんどいですな。個人別の出来高給ならまだしも、集団の成果で賞与が最大6割(もっとも、いつも書いているように制度的に下がりうるというのと実際に下がるというのはまったく別物なので、実態がどうかをみなければなんとも言えないのですが)下がるというのでは、それは強烈なプレッシャーでしょう。ここまできつい連帯責任を負わせると、そりゃ仕事ぶりも荒っぽくなるでしょうし、それこそ自腹で穴埋めというのもありそうな話ですし、職場の人間関係も荒廃するでしょう。撤廃も当然だと思います。
世間で言われている「成果主義」というのは、アンチ年功賃金という面が強く、ほとんどの場合は個人の評価、個人の成果に賃金などを連動させていこうというもので、こうした連帯責任的なものは一般的な意味での「成果主義」とは異なっているのではないでしょうか。「成果主義」にとっても迷惑な話かもしれません。