「ベア実施」は27%

昨日(8日)の産経新聞から。帝国データバンクの調査によると、27%の企業が今年の春季労使交渉でベアがあると回答したそうです。

 帝国データバンクが全国企業の来年度(今春)の賃金動向について調査したところ、賃上げ(ベースアップ)があると回答した企業は27%となったことが7日分かった。ただ、「ベアゼロの見込み」「下がる見込み」と答えた企業もあわせて48%にのぼり、「基調はベアゼロであり、全体的な所得底上げには結びつかない」(産業調査部)状況もうかがえる。
 賃金動向を規模別にみると、ベアを行う企業の割合は中小企業が28.9%にのぼり、大企業の21.1%を上回った。経営者からは「大企業の採用が増えて人材確保が難しい」「求人に応募が少ない」といった声が寄せられた。雇用環境全体が改善に向かう中、中小企業には労働力確保への危機感があるようだ。
 また、ベアも定期昇給も「ない」と答えた企業も21.1%あり、五社に一社は景気回復による所得環境の好転が及んでいない状況だった。
(平成18年2月8日付産経新聞朝刊から)

この数字をどうみるかは難しいところですが、日本経団連の調べでは昨年は53.5%が「定昇のみ実施」、「ベア・定昇とも実施」「区分なく実施」があわせて24.0%、「賃金額の据え置き」は3.9%という結果でした。単純な比較はもちろんできませんが、いまのところ、マスコミがベアをあおりたてているほどには経営サイドの姿勢は緩んでいないようです。

とりわけ、ベアも定期昇給もない(ほぼ賃金額の据え置きに相当)と答えた企業が21.1%というのは、昨年の結果より非常に大きくなっています。もっとも、調査が違うことに加えて、調査時期の違いによる影響がかなり大きいと考えるべきなのでしょう。今年はこれから交渉しようという時点ですから、始まる前から甘いことを言うわけもありません。「ベアも定昇もない」というのも、とりあえず交渉のスタートはそこだ、ということで回答している企業も多いのではないかと思います。
そう考えれば、ベア実施や定昇のみが現時点で昨年の結果と似たような状況なのであれば、情勢は好転していると見るべきなのかもしれません。実際、中小企業が人材確保に向けてベアを実施しようとしているということは、労働市場がかなり逼迫してきているということでしょうから、普通に考えて賃金は上がる方向だろうと思います。連合は今年も「中小春闘」に取り組むようですが、昨年に較べると追い風が吹いているというところでしょうか。中小がベアを実施し、大企業がベアゼロ+業績は賞与に反映という路線を維持すれば、とりあえず月例賃金ベースの格差は縮小するという結果が出るかもしれません。