野川忍『労働法』

野川忍先生から、特製新型枕こらこらこら、ご著書『労働法』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

労働法

労働法

1,000ページを優に超える労作で、オビには「これまでの労働法学の成果を十全に検証。判例・学説・政策の新機軸と国際的動向も踏まえ、これからの労働法を知るための決定版」とあります。「はしがき」によれば「本書の立脚点は…政策法学と理念法学とに対するマージナルポジションにある。いずれをも重視しつつ、この両者を機能的に連携させうる理念的基盤に立つことに原点を置く。その核にあるのは労使自治の原則である」としています。そのために「判例、学説、その他の資料をできるだけ幅広く、また最新の内容」「多彩な具体例に触れ、かつ、判例…法理をできるだけ幅広く検証」「国際労働法の領域と…労使関係法の領域とのウエイトを高めた」とのことです。
まだ気になるところを拾い読みしただけなのですが、荒木労働法や水町労働法のように労働法の将来展望を論じる終章が置かれておらず、中盤で雇用政策の総論を紙幅を割いて論じているのが目立ちます。また、はしがきにあるとおり、EU・ドイツやアメリカを中心に海外の労働法が多数紹介されていますし、ユニオン・ショップやチェックオフなど集団的労使関係の記載も充実しています。座右において参照させていただきたいと思います。