2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

キャリア辞典「非正規労働」(2)

「キャリアデザインマガジン」第82号に載せたエッセイを転載します。 非正規労働とはなんだろうか。「非」正規労働というからには、正規労働というものがあり、その補集合が非正規労働であるのだろう。それでは、正規労働とはなにか。 Wikipediaには「正規雇…

梅澤正『職業とはなにか』

職業とは何か (講談社現代新書)作者: 梅澤正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/08/19メディア: 新書購入: 3人 クリック: 41回この商品を含むブログ (17件) を見る「キャリアデザインマガジン」第81号に載せた書評を転載します。 ベストセラー作家、村上龍…

キャリア辞典「非正規労働」(1)

「キャリアデザインマガジン」第81号のために書いたエッセイを転載します。 非正規労働(1) 昨年(2008年)末もおしせまった12月26日、厚生労働省は「非正規労働者の雇止め等の状況について(12月報告)」を発表した。これはもちろん、昨今の厳しい雇用失…

価値観だけ見直してもね

さて、古賀氏は最後にこう述べています。 「企業が株主価値を上げる経営を目指すことは否定しない。だが配当のみを増やす経営でいいのか。昔は株主、従業員、取引先で付加価値を配分していた。日本の財産は人だ。労働の価値観を見直す時期に来ている」 「株…

登録派遣禁止は派遣労働者のためなのか?

――舛添要一厚生労働相は製造業派遣の禁止を唱えている。 「連合は雇用の原則は直接雇用だと主張している。禁止が行き過ぎとは思わない。八五年の労働者派遣法ができる前の状態に戻すべきだ。一足飛びにはいかないからまず製造業に限らず一般業務の登録型派遣…

オランダ・モデルは本当にうまくいっているのか?

――ワークシェアリング(仕事の分かち合い)は選択肢になるか。 「まだ論点整理の段階だ。日本経団連のいうワークシェアリングは私から見れば、生産・雇用調整だ。オランダのように政労使が一緒に仕組みをつくる必要がある。夫の年収を下げる代わりに、妻に仕…

連合の「就労・生活支援給付」

――雇用情勢悪化のスピードが速い。雇用をどう守る。 「米国発の金融危機が実体経済に影響を与えたが、ここまでひどいとは誰も予想できなかった。安全網として職業訓練と能力開発、そして新雇用の創出が不可欠だ。いまは失業給付が切れると、すぐに生活保護が…

古賀伸明氏

今朝の日経新聞に、古賀伸明連合事務局長のインタビュー記事が掲載されていました。「政労使に聞く」となっていますので、これから「政」と「使」も登場するのでしょう。連合のいろいろな考え方などがコンパクトに収められていますので、以下個別にコメント…

一律初任給を見直せ

今朝の日経新聞の連載インタビュー「領空侵犯」に、慶応義塾長の安西祐一郎先生が登場され、「一律初任給を見直せ」という主張を展開しておられます。 ――大学新卒者の初任給が同一企業では一律という現状に疑問があるそうですね。 「大卒に限らず、正社員に…

解雇規制の緩和より労働契約の多様化を

hamachan先生が紹介されていたこともあり、出張した際に新幹線の社内販売で「WEDGE」を購入してみました。呼び物は特集「正社員の既得権にメスを入れよ」、とりわけ大竹文雄先生の論文「正社員の雇用保障を弱め社会の二極化を防げ」です。 一昨日ご紹介…

必要な人に必要な支援

きのうの日経新聞「経済教室」では、一昨日に続いて非正規問題がテーマでした。登場したのは気鋭の労働経済学者、一橋大学准教授の川口大司先生です。お題は「支援はピンポイントで」。こちらは一昨日の樋口先生とは対照的で、大きな社会ビジョンというより…

均等待遇のむずかしさ

きのうの日経「経済教室」は、労働政策研究の重鎮、慶応大学商学部教授の樋口美雄先生が登場され、「均等待遇強化こそ本筋」と題して非正規労働問題を論じておられます。前半部分は、近年非正規雇用が増加したことで労働市場が二極化し、雇用調整のスピード…

金融経済の専門家、日本共産党を語る…の続き

きのうの続きです。なにかと面白い論点もあるのですが、二日目ということもあり少し飛ばしていきましょう。まずは外資系投信投資顧問会社企画・営業部門勤務、金井伸郎氏です。設問の「いわゆる派遣切りが相次ぎ」のほうに反応している感じで、日本共産党の…

政府と企業の責任分担

上のエントリとも関連して、週末の日経から。土曜日の投資欄のコラム「大機小機」に、「吾妻橋」氏が「政府と企業の責任分担を見失うな」という一文を寄せておられます。氏は時折この欄に寄稿され、主に社会保障、労働の分野でたびたび鋭い指摘を提示してお…

金融経済の専門家、日本共産党を語る

今日配信されたJMM [Japan Mail Media]No.515『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』のお題は「いわゆる派遣切りが相次ぎ、不況の訪れとともに日本共産党への関心が高まり、党員も増えているようです。日本共産党の政策、基本的な方針をどう評価すればいい…

経済財政諮問会議民間議員ペーパー「雇用問題について」

きょう、経済財政諮問会議で「雇用問題について」という民間議員ペーパーが提出されたそうです。 http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0116/item6.pdf まずは足元の厳しい状況に対する対応について言及されているのですが、続いて将来的な方向性に…

池田信夫先生

池田信夫上武大学教授のブログは論争的なテーマを提起することで著名ですが、今日のエントリでは雇用問題が取り上げられています。短いものですので、まずは全文引用しましょう。 派遣村をめぐる論争は、ますます過熱しているが、その争点が「失業は自己責任…

ごく初歩の公共政策に関する原理すら(ry

一昨日の日経から。派遣労働の「目の仇」ぶりは一段と強まっているようですが…。 自民党の細田博之、公明党の北側一雄両幹事長は十一日、派遣元や派遣先の会社が契約任期満了前に契約社員を解雇する場合、再就職をあっせんするよう法律に明記すべきだと表明…

雇用確保に企業の内部留保活用をby大竹文雄先生

大竹文雄先生が、ご自身のブログで毎日新聞に寄稿された「企業の内部留保活用を」という論考を転載されています。hamachan先生のブログでも取り上げられた論考でもあり、たいへん興味深いものですので、ここにも転載のうえコメントを試みてみたいと思います…

宗教テロも労働問題

日経新聞のコラム「経済教室」で、「危機を超えて 世界新秩序と日本」というシリーズが進行中ですが、一昨日、東京大学教授の山内昌之氏の「中東の混迷も見落とすな 長期的解決の道探れ 背景に人口増と失業問題」という論考が掲載されていました。状況があま…

佐藤博樹先生

年明け早々なにかとバタバタでブログが再開できていませんが、取り急ぎこれだけは上げておきたいので全文引用。今朝の日経新聞に掲載された佐藤博樹先生のインタビュー記事です。コメントはまた書きますが、一部を除きまことに適切な指摘だろうと思います。 …

年越し派遣村

やはりきのうの日経から。年末年始にかけて「年越し派遣村」が話題になりましたが、それをめぐる政治家の失言が報じられていました。 坂本哲志総務政務官は五日の総務省の仕事始めで、仕事や住まいを失った人々を支援した東京・日比谷公園の「年越し派遣村」…

製造派遣禁止ふたたび

きのうに続きまたしても派遣ネタで、今度は製造派遣禁止を復活させようという話です。きのうの日経から。 舛添要一厚生労働相は五日午前の閣議後の記者会見で、労働者派遣法に関連して「個人的には製造業にまで派遣労働を適用するのはいかがなものか」と述べ…

マージン規制ふたたび

このところの雇用情勢悪化の中で、派遣労働は目の仇にされているかの感があります。現在国会審議中の派遣法改正法案の議論の中でも出てきた「マージン規制」が、またぞろ取り沙汰されているという報道がありました。 自民、公明両党は急激な景気悪化で雇用契…

内部留保で雇用確保

いろいろなネタがありましたが、まずはきのうの夕刊のこれから。 河村建夫官房長官は五日午前の記者会見で、派遣社員の雇い止めなど深刻化する雇用問題の対応策として、企業側に内部留保を活用するよう求めた。河村長官は「企業はこういう事に備えて内部留保…

日記

私のもうひとつの担当業務は年末年始が書き入れ時で、ブログ再開予定の6日以降もなにかとバタバタ続きで更新が滞ってしまいましたが、一昨日・昨日は思わずあっさり全部負けてしまい(謎)、おかげで今日(このエントリは1月12日に書いています)まとまっ…