2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

キャリア辞典「労働ビッグバン」(3)

キャリアデザインマガジン第61号に書いたエッセイを転載します。「労働ビッグバン」の3回めです。 「ワークライフバランス憲章」なるものは、正社員については「完全週休二日制の100%実施、年次有給休暇の100%取得、残業時間の半減、フルタイム労働者の年…

大久保幸夫『キャリアデザイン入門[1]基礎力編』

「キャリアデザインマガジン」第61号のために書いた書評を転載します。キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編 (日経文庫)作者: 大久保幸夫出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2006/03/15メディア: 新書購入: 8人 クリック: 82回この商品を含むブログ (40件)…

政策決定プロセスへの労使の関与

もう1日、労働政策研究会議の感想を書きます。午後はシンポジウムで、テーマは「雇用システムの変化と労働法の再編」、登壇者は司会が荒木尚志東京大学大学院法学政治学研究科教授、パネリストが樋口美雄慶応大学商学部教授、労働関係ブログ界の有名人hamac…

障害者雇用への2つのアプローチ

きのうに続いて労働政策研究会議の感想を書きたいと思います。自由論題セッションは3つ聴講したのですが、2つめは元身内の応援でしたので省略させていただいて、3つめは第1会場の長谷川珠子日本学術振興会特別研究員の「日本における障害を理由とする雇…

ミートホープ

従業員約60人を解雇するそうです。まあ、ことここに至っては事業を続けられるわけもなく、従業員の失職は避けがたいでしょう。とにかく、きっちりと退職金を払わせることをまずは最優先するしかないのかもしれません。 それにしても、こうした違法行為は発覚…

クリエイティブ人材のエージェントビジネス

この23日に開催された日本労使関係研究協会の労働政策研究会議に出席してきました。昨年まで2日にわたっての開催でしたが、今年から1日に短縮し、シンポジウムが減ったかわりに自由論題セッションを3会場にわけて報告数が増えました。 自由論題はいずれも…

オシムの言葉

今朝の日経に掲載されていたサッカー日本代表のオシム監督に関する連載特集記事から。 … 一月のガルフカップを自ら視察したオシム監督も、湾岸諸国の台頭を肌で感じている。かの地では代表であれクラブであれ、チーム運営に王族が深くかかわっている。故に資…

社内預金で経営再建?

経営再建を進めている日本航空の労働組合が会社側に対し、社員から預金を募る「社内預金」の導入を提案していることが19日分かった。集まった預金を社債の償還資金などに使い、再建に役立てるのが狙い。 八つある日航の労組のうち、最大のJAL労働組合を…

キャリアデザイン「労働ビッグバン」(2)

「キャリアデザインマガジン」第60号のために書いたエッセイで、きのうの続編です。これも5回くらいの連載になりそうです。 以下転載です。 「労働ビッグバン」(2) 経済諮問会議が「労働ビッグバン」を打ち出したのは、昨年(2006年)10月13日開催の平成…

キャリア辞典「労働ビッグバン」(1)

キャリアデザインマガジン第59号のために書いたエッセイです。私がキリキリ舞いしている間にも世間はいろいろ動いていたということのようです。 以下転載です。「労働ビッグバン」(1) ここ数ヶ月、経済諮問会議を中心として「労働ビッグバン」というキャ…

坂東眞理子『女性の品格』

すでに昨年末の「今年の10冊」で取り上げた本ですが、「キャリアデザインマガジン」第60号のために新たに書評を書きましたので転載します。女性の品格 (PHP新書)作者: 坂東眞理子出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2006/09/16メディア: 新書購入: 3人 クリ…

日記

きょうから、一応平常モードに復帰して更新していけそうです。ただ、きのうまで長く続いてしまった書きなぐりの後始末はたぶんできそうもないので、コメント・トラックバックはもうしばらくストップとさせていただきます。ご容赦ください。 と思っていたら、…

山田昌弘『少子社会日本』

「キャリアデザインマガジン」第59号のために書いた書評です。少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ (岩波新書)作者: 山田昌弘出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/04/20メディア: 新書購入: 7人 クリック: 138回この商品を含むブログ (66件) を見るき…

日記

ようやく追いつきました。5月11日までのはずが、さらに1ヵ月以上も修羅場が延びてしまった…書きなぐりが長く続いて、申し訳ありません。まあ、これからも細々と続けてまいります。

番組収録中の事故

NHKの番組「クイズ日本の顔」の収録で昨年5月、出演者の女性が跳び箱を跳ぶシーンの撮影中に左ひざの靱帯(じんたい)を損傷する重傷事故が起きていたことが13日、分かった。女性は番組出演を要請した会社の安全確保が不十分だったとし、14日に渋谷…

人身売買の実態に関する報告書

以前はトラフィッキングが問題視されましたが、今年は研修・技能実習制度が取り上げられたそうです。 …米国務省は12日、世界の人身売買の実態に関する報告書を発表した。日本については、低賃金や酷使が横行している外国人研修・実習制度を取り上げ、「一…

感情労働

たまには「天声人語」なんてどうでしょう。 …ある薬局の薬剤師は客に処方する際、話し方が気に食わないと怒鳴られた。心ならずわびつつ、口まで出かかる「何様ですか」をのみ込むことが、最近は増えているそうだ。「会社万葉集」(光文社)にあった切ない歌…

退職警官の再任用拡大

もうひとつ週末の報道から。 団塊世代の大量退職に伴い、全国の警察本部が定年退職の警察官を再任用した数が四月一日現在で二十七人に上り、昨年同時期時点での四人から大幅に増えたことが、警察庁のまとめで分かった。 再任用制度はベテラン警察官を確保し…

米不法移民就労合法化、改革法採決を断念

週末の報道から。 米上院は七日夜、米国にいる約千二百万人の不法移民の就労合法化に道を開く移民規制改革法案の採決を断念した。推進派は再審議を目指すが反対論は根強く、年内成立は微妙な情勢。包括的な移民制度改革を内政の最重要課題に掲げるブッシュ政…

アートNPO、4分の1が「有給職員なし」

文化芸術活動にかかわるアートNPO(非営利組織)の初めてといっていい実態調査がまとまった。文化庁の支援を受け、京都のNPO法人「アートNPOリンク」が昨年九月末時点の情勢をアンケート調査した結果、苦しい運営の様子が明らかになった。 調査結果…

出生率、1.3を回復

厚生労働省は六日、二〇〇六年の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産むと推定される子供の数)が六年ぶりに上昇に転じ、一・三二になったと発表した。前年比〇・〇六ポイント上昇した。景気回復で雇用が改善し、一九七一―七四年に生まれた「団塊ジュニア」…

人材各社、パート派遣拡大に力

郊外に続いてパートです。 人材派遣各社がパートの派遣を増やそうと、受け入れ企業の開拓に力を入れている。景気回復を背景に毎日八時間働ける人材の供給は追い付かない状態が続く。ただ就労意欲のある主婦や中高年層の増加で、勤務時間が八時間より短いパー…

自衛官給与、能力重視に

今朝の日経から。 特別職国家公務員である自衛官の給与体系を能力重視に改めるため、現在は一つの俸給表を三種類に分ける構想が政府・与党内で浮上してきた。能力に応じ給与に格差を設けて隊員の士気を高めるのが狙い。訓練主体だった従来の業務と比べ、国際…

人材派遣大手 郊外拠点拡充の動き

人材派遣大手が大都市圏郊外に拠点を広げている。子どもを抱え、「自宅の近くで仕事をしたい」という主婦層のニーズに応えたもので、とくにテンプスタッフは今年度中に新たに全国10カ所以上を開設する計画だ。雇用環境の改善で企業が正社員採用を増やして…

雇用3法案、先送りの公算

最低賃金の引き上げなど雇用ルール見直しに関する三法案の成立が秋の臨時国会に先送りされる公算が大きくなってきた。「年金」を巡る参院厚生労働委員会での論戦は五日から始まるが、与野党の対立が激化するなか、与党内では同法案が廃案となることを避け、…

ベッカー「人的資本」(8)

最終回です。 昔のように職業人生が短かった時代には、若いときに集中的に教育や訓練などの人的資本投資を行い、そこで身につけた生産能力で、定年まで忙しく働くというパターンでよかったかもしれない。しかし六十歳代まで現役でしっかりと仕事をしようとす…

中国「民工」悲惨な実態

週末の報道から。 中国の出稼ぎ労働者「民工」の不安定な雇用の実態を告発し、中国で話題を呼んだ本を元商社員ら大阪府内の3人が初めて翻訳した労作「大地の慟哭(どうこく)−中国民工調査」が出版された。原書では「酷使され、差別され、命さえ軽んじられ…

ベッカー「人的資本」(7)

またしても明快。 公務員が民間ではできない特殊性のある仕事能力を磨いてきたとすれば、彼らが民間に転職することは容易ではない。もし公務員が懸命に公務特殊的な能力を磨いていたのなら、民間で仕事をする能力を高める暇は無かったはずだからである。そう…

タクシーの過当競争

もう一度タクシーネタです。 国土交通省は31日、タクシー料金を改定する際の算定方式を見直す方針を固めた。東京地区のタクシー料金値上げについて議論した同日の物価安定政策会議(議長・堀内昭義中央大教授)が、現行方式の見直しを求めたため。会議では…