2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ベッカー「人的資本」(6)

またしても全文引用。まことにわかりやすい説明です。 非正規労働者の比率は高まったとはいえ、大企業の正社員について終身雇用の原則はまだ崩れていない。これに対して、市場環境や産業構造の変化にすみやかに対応するには、正社員の雇用も、もっと流動化す…

武石恵美子先生

きょうの産経新聞に登場しておられました。出番は「【政策を問う】子育て支援」。 −−官民で子育て支援策が拡充されている割に、なかなか成果があがらない。なぜか 「例えば育児休業についていえば、取得する人がまだまだ少ない。女性の取得率は高いといわれ…

フリーターに共済制度

連合がそういうアイデアを持っているのだとか。 連合の高木剛会長は29日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、フリーターがけがや病気になった際に利用できる共済制度を創設する考えを明らかにした。 会見で高木会長は「1人500円程度を負担し…

ベッカー「人的資本」(5)

清家先生の「やさしい経済学」、今日も全文引用してしまいましょう。 前回見たように年功賃金、終身雇用といった日本的雇用制度の意味合いは、『人的資本』で説明できる。ところが、その日本的雇用制度が今揺らいでいる。とくに、その枠外にあるパートタイマ…

完全失業率、3.8%に

きのうの夕刊から。ついに3%台にまで下がってきました。 総務省が二十九日発表した四月の完全失業率(季節調整値)は三・八%と一九九八年三月(三・八%)以来、九年一カ月ぶりに三%台を回復した。雇用情勢の悪化で失業率は長く四―五%台で推移していた…

ベッカー「人的資本」(4)

きのうの続きです。 このように、投資の費用と収益を企業と個人が分け合うという『人的資本』の描く枠組みによって、そのときどきの生産水準と賃金が必ずしも一致しないことが経済合理的に説明できる。同じ潜在能力を持つ個人であっても、訓練中かそうでない…

進展する継続雇用

きのうの日経新聞からです。 六十歳以降の雇用確保が事業主に義務付けられた二〇〇六年四月以降、九八%の企業が再雇用、定年の引き上げなどの措置を講じていることが、労働政策研究・研修機構の調査で分かった。再雇用された人の担当業務や処遇を巡っては「…

ベッカー「人的資本」(3)

というわけで清家先生のベッカー「人的資本」。今回は全文引用してしまいましょう。 企業内で行われる訓練費用はすべて企業の負担によるものではないか、と思われるかもしれない。しかし『人的資本』は必ずしもそうではないことを教えてくれる。企業内での訓…

金融業の労働市場

これはきょうの日経から。 金融市場の機能強化が叫ばれる日本。お手本のひとつは英国の金融街シティーだ。英市場を皮膚感覚で知る金融マンが、静かに活躍の場を広げ始めた。 … 石田とともに欧州東海銀を支えた生田卓史(52)は、金融業務を強くしたいトヨ…

仕事求めて新天地へ

これも週末の日経から。 地方への移住といえば、のんびり引退生活というのが定番だが、仕事を求めて新天地に旅立つシニアが増えてきた。迎える側の自治体も移住者向けの職業紹介に力を入れるなど、受け皿づくりも進む。「求職移住」成功の条件を探った。 … …

労働審判制1年

週末の日経から。 会社と労働者個人との紛争を迅速に解決するため昨年四月に始まった労働審判制度で、最高裁は二十六日までに、三月末までの一年間で全国の地裁への労働審判の申立件数が千百六十三件(速報値)に上ったと発表した。 審理が終了したのは九百…

賃金と国際競争

日銀の分析結果が今朝の日経で報じられていました。 経済のグローバル化に伴い、労働者の賃金が伸びにくくなっている。日銀の分析によると、外国人持ち株や輸出比率の高いグローバル企業ほど、生産性の上昇と比べた賃金の伸びが低めに抑えられる傾向が出てい…

改正パート法、成立

今朝の日経のトンデモネタです。 パート労働者と正社員の差別待遇を禁止する改正パートタイム労働法が二十五日午前の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。業務内容が正社員と同程度のパート労働者には、賃金などで正社員と平等な扱いを事業主に…

ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)は説明不足

経団連はきのう総会を開いたそうです。産経新聞に、御手洗会長のインタビューが載っていて、WEにもふれています。 −−1年目はホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の規制除外)など、経団連が求めたにもかかわらず、実現しなかった政策課題が少なく…

ベッカー「人的資本」(1)

日経新聞「やさしい経済学」はこのところ「名著と現代」のシリーズを掲載していますが、きのうから慶應義塾大学教授の清家篤氏がベッカー『人的資本』を紹介しています。 この本が革命をもたらしたのは、労働者を、投資によって生産能力を高めうる資本である…

甘利経産相

きのうの夕刊から。単純労働の外国人受け入れに慎重な姿勢を示したそうです。 甘利明経済産業相は二十二日の閣議後の記者会見で、不正な低賃金労働が問題になっている外国人研修・技能実習制度について「基本は技術を移転し、日本が(海外に)貢献するという…

米軍基地勤務者の賃金

昨日の産経新聞によると、財審で「高すぎる」との意見が出ているのだとか。 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は21日、財政構造改革部会を開き、防衛関係費の在り方などについて議論した。在日米軍基地で働く日本人(駐留軍等労働者)に日本政府が支払…

規制改革会議、最賃引き上げを批判

これは今日の朝刊から。 規制改革会議(議長、草刈隆郎日本郵船会長)は二十一日、労働法制の抜本的な見直しを求める提言を発表した。安倍晋三首相が検討する方針を示している最低賃金の引き上げについて「不用意な引き上げはその賃金に見合う生産性を発揮で…

大阪のタクシー 値上げできずネを上げる!?

きのうの産経新聞、大阪版の夕刊から。産経さんのこの見出し、なかなか秀抜ですね。さすが大阪。 全国各地でタクシー運賃の値上げ申請が相次ぐなか、値上げを見合わせている全国有数の激戦区・大阪の対応が、近畿各府県に影響を及ぼしている。全国では半数以…

拡大するワーク・ライフ・バランス

人材確保や女性活用のために仕事と子育ての両立支援に取り組む企業が急速に増えている。日本経済新聞社のワークライフバランス(仕事と生活の調和)調査で約四百社の回答企業のうち男性の育児休業取得者がいる企業が五四・八%に上った。両立支援の推進は「…

注目記事クリッピングと一言コメント

週末の日経から。

不法移民、雇用者に厳罰

今朝の日経から。不法移民の不法就労に悩むEUの話です。 不法移民の流入を抑えるため、欧州連合(EU)の欧州委員会は雇用者に厳格な罰則を適用する新法案を提出した。制裁金のほか、本国への強制送還費や未払いの税金・社会保障費の負担などを義務付ける…

高齢者の起業

きのうの日経新聞夕刊から。 定年後に福祉や環境などの分野で起業するシニアが増えている。地域や社会の問題解決を非営利組織(NPO)やボランティアとしてではなく事業を通じて目指すもので、前職と関連の少ない分野に飛び込むケースもある。会社設立のた…

球団オーナー、労働法を学ぶ

これはきょうの朝刊から。 プロ野球のドラフト制度検討委員会が十六日、東京都内で開かれ、労働法の専門家である菅野和夫東京大学名誉教授を講師に招き、選手契約などに関する説明を受けた。 委員長を務める根来泰周コミッショナー代行は「ドラフトだけの話…

コミットメントとエンプロイメント

一昨日の「経済教室」から。神戸大学教授の加護野忠男氏が、最近物故された経営学者のアベグレン氏について紹介しています。 アベグレン氏の思想を理解するうえで、重要な意味を持っているのは、やはりこの処女作である。本書の英語版は一九五八年に出版され…

法相、「短期外国人就労制」を提唱

きのうの日経夕刊に面白い記事が出ていました。 長勢甚遠法相は十五日の閣議後の記者会見で、不正な低賃金労働などが問題となっている現行二年の外国人技能実習制度を廃止し、専門分野以外でも三年に限って就労を受け入れる「短期外国人就労制度」の私案を示…

年長フリーター対策

もうひとつきのうの日経から。 二十代後半から三十代の「年長フリーター」の就職を支援するため、厚生労働省は「ジョブクラブ」を都市部のハローワークなどに設ける。少人数のグループで、職場体験をしたり、面接での自己PRなどを学ぶ。 … 厚労省若年者雇…

格差問題

きのうの日経新聞「経済教室」で、大竹文雄先生が格差問題をわかりやすくまとめておられます。 … 格差社会という言葉が人々の関心を呼ぶ一つの理由は、その言葉の多義性にあるようだ。議論される格差の対象は論者により異なることが多い上、単なる感情論も多…

経産省、研修・技能実習制度の拡充を主張

週末の日経から。どうして経産省が口出ししてくるのかという素朴な疑問はありますが、中身は厚労省の考えとはかなり違うようです。 経済産業省は外国人研修・技能実習制度の改革案をまとめた。日本の在留期間を現行の三年から事実上、二年延長して五年にする…

メイテック、中途採用倍増

もうひとつ先週金曜日の日経から。 技術者派遣最大手のメイテックは十日、二〇〇七年度の中途採用目標をグループ全体で前年度比二倍増の六百八十人にすることを明らかにした。企業が正社員採用を拡大し、優秀な新卒者の人材確保が難しくなっているため。設計…